恐怖のホッピング
(2003年 執筆)

これは確か小学生のころの話です。うちの町内ではホッピングが流行っていました。ホッピンッグというのは、工事現場のおじさんが地面に穴を空ける時に使うドリルにのような形の物で、それに乗ってボヨンボヨンと弾んで遊びます。
まあとにかくホッピングが流行っていたわけですが、うちの町内では特にホッピングで誰が一番高く飛び上がれるかを競っていました。
ある日、M君とY君と僕の3人でホッピングで遊んでいました。M君とY君はコツをつかみ始めて、すごい高さで飛び上がれるようになっていました。僕は悔しかったので自分だって高く飛んでやろうと思い、思いきり飛び上がりました。
思いきり飛んだだけあって、おそらく他の2人より高く飛べたとは思います。しかし、僕はアホなことに飛び上がることしか考えておらず、空中でバランスを崩しました。人は死ぬ瞬間は時間がゆっくりに感じるとか言いますが、まさにそれでした。ゆっくりと目の前に地面が近付いてきました。そして受身も取れずに顔面からアスファルトに激突しました。僕は口からダラダラと血を流し泣きながら、一番近くのM君の家に行きました。前歯はグラグラと揺れ、流れた血はティッシュ1箱分にもなりました。そして僕はホッピングをやらなくなりました。



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